15 March, 2013

北部の英国

英国のことは知らないけど、単純にかっこいいからユニオンジャック柄のモノを持っている人もいたり、ロンドンっておしゃれな人が多そうとか思ってる人が多いのではないでしょうか。
もしくは好きなバンドが英国人だということで、英国びいきになる人もいるのではないのでしょうか?

英国に興味が湧きはじめると、BBCのラジオを聞いてみたり、英国映画を見てみたり、
英国に旅行に行ってみたいな〜って思い始めるのではないでしょうか?


私の場合、
日本に生まれ、中学からEIGOという日本語英語を学び、
英語を話すウエスタン顔の人は全員アメリカ人だと思っていました。

欧米人への憧れは幼い頃から強く、
小学時代の表向きではない夢は、「将来アメリカの家庭のような、ハグやキスが日常茶飯事の家庭を持ちたい」であり、

中学時代の愛読雑誌はRoadshowという洋画紹介の雑誌。
欧米の女優と俳優のグラビアにうっとりし、友達と洋画についての交換日記をしていました。
ノートには好きな映画や役者の切り抜きを貼って、この人のここが好き!とかこの映画を見てみたいとか、とりとめのない内容でしたが、日記はけっこう長く続いたと思います。
他にもScreenという洋画雑誌があったけれど、その雑誌の役者の日本語表記が気に入らず、どうしても読みたい記事がない限りは購入に至らなかったという、
へんなこだわりもがありました。

専門学校卒業後、就職したものの、すぐに挫折、今までの自分の気持ちの甘さに嫌気がさし、なにかにチャレンジして、だめだめな自分を変えたい!と思いはじめたのがスケートボードです。当時21か22歳、始めてみたものの、まわりにスケートボードをやっている友達は誰もいませんでした。

25歳をすぎて、初めて自分からものすごーくすごく好きになった人にふられ、
恋愛という名の淡い夢のために貯めていたお金を自分へ投資しようと
英会話へ行くことを決意。
そこで出会った英会話の日本人の先生が、英国英語をこよなく愛する人でした。
その人に英国英語入門編として、英国映画のことや、BBCラジオのことなどを教えてもらったことがきっかけで、私もすっかり英国の魅力に取り付かれたわけです。


現在もですが、いまだに英国アクセントにうっとりし、この有名人、英国出身なんだ!と嬉しくなります。

スケーターで言うと、
大好きなジェフローリーが英国出身。
トムペニーもアレックスモールも英国出身。
今話題の、ベンレイマスも、ベンノードバーグも、英国出身。
どこまで英国カブレなんだと、自分でも恥ずかしくなりますが、
英国出身の人が活躍しているというのは、母国日本人が活躍しているのと同じくらい嬉しく思います。

しかーーーーーーーーし、
英国ロンドンにワーホリで来ている日本の若者達よ、
本当の英国を知っていますか?
本当の英国に触れる機会はありますか?
英国のウルトラポッシュな世界や、ミドルクラスのリッチな世界は、
’真’のところはなかなか見れないけれど、彼らの表面の部分はテレビ、観光地やホテル、デパート、語学学校のアクティビティや友達などのつながりで垣間みることができるのではないでしょうか。

では、ワーキングクラスの世界はどうでしょう?
ロンドンのゲットーなエリアはほとんど移民です。
さあ、英国人のワーキングクラスの世界はどうやったら垣間みることができるのでしょうう? 私が思う答えは「北部へ行け」です。

炭坑や工場が多かった北は、ワーキングクラスの家庭が多く、
英国元首相、鉄の女サッチャーにより、たくさんの人が職を失いました。
(映画リトルダンサーがまさに北部の貧しい家庭ですね)
それでも当時の大人達は家族のために頑張って生活をしてきたわけですが、
今の世代達は、働かず、国から無職の人に支給されるベネフィットを頼って生活し、
さらには子供手当がもらえるからと、子供を産みまくっている人達のおかげで、
英国の出産率は毎年上昇しているのが現状です。

しかし北部へ来ると、なぜだか落ち着くのは私だけでしょうか?
みんなが見栄をはらずに、自然に生活していて地元の千葉を思い出させてくれます(笑)
チャブと呼ぶ、日本で言うヤンキーのような人が多いですけどね。

つまりですね、私が言いたいのは
綺麗な田園風景だけが英国じゃない
アフタヌーンティだけが英国じゃない
お洒落なパンクロックだけが英国じゃない
ロンドンが英国だなんて思っていたら大間違い。
小さい国だけど歴史は古く、戦争、移民、宗教のこと、いろいろ含めて
英国は深く広い。
英国が好きなら、もっと広い視野で知ってほしい!
と言うわけで、そんな私からのおすすめビデオです。
 「IDEAL」 BBCで放映されていた一話が30分のコメディドラマです。




マンチェスターアクセントでドラッグや殺人、ブラックユーモアたっぷりです。

スラングや、文化を知っていないとわかりにくい笑いが多いのですが、
サブタイトルで英語表記させればけっこうわかると思います。
それに、単純にキャラクター達の行動がおもしろくて、英語がわかんなくても
なんとなく意味が通じちゃう、笑えちゃいます。

主人公はMozという名の男性。ドラッグディーラーです、といっても、ハードドラッグは売らないというポリシーを持っています。
彼の友達PCは警察官という立場を利用して、犯罪者から没収したweedをMozに横流し、儲けを分け合い、Mozは生計をたてています。

BrianというTop of the gayなキャラ設定も最高です。

ネズミのお面を被っているカートゥーンヘッドというキャラは、
ボスにお仕置きで仮面を顔につけられ外せなくなってしまった、ヒットマン。
一切喋りません。お茶目な行動をする傍ら、気に食わない奴は思い切り良く抹殺します。

日本人キャラも出てきます、yasukoというキャラ。Mozからはyokoと呼ばれています。
つねにウェットティッシュを持ち歩き、なんでも拭きたがるキレイ好き。

Mozのお人好しなとこと、彼が「クライアント」と呼ぶ、おもしろおかしい顧客達のやりとりがはちゃめちゃで面白い!キャラクター達に愛着がわきます。
ただ、主人公がドラッグディーラーなので、顧客の中にギャングやヒットマンなんかがいて、血が飛ぶシーンもありますが、そこはブラックユーモアで処理されています。

マンチェスターアクセントも最高だし、見ればわかる、見てほしい!
Little britain や The office なんかより遥かに面白く生活感溢れるコメディです。

absolutely fabulousのワーキングクラス版って言ったらいいのかな。

なかなか日本にいては知ることのできない英国のブラックな一部ってことで、
ぜひ見てみてください! 15歳未満は見ちゃダメよ。



3 comments:

  1. Anonymous9/1/15 20:34

    はじめて拝読しました。私自身も現在西ヨークシャーのリーズに住んでいるので、何か近いものを感じました(期間限定ですが)。たしかに北部では産業革命のなごりが残っていますよね。私が今現在住んでいる家もかつて汗水流して働いていた人たちが住んでいたであろうテラスハウスです。 また読みにきますね。 

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  2. Anonymousさん、こんにちわ!私はリーズの隣町のWakefieldに住んでいます。
    近いですね!ロンドンに住んでいた時は、何がなんだかわからないまま、どわ〜っと日々の生活に追われてましたが、北部に来てからは人間らしい生活をしているというのか、やっと日本を離れたんだな(忙しい生活から解放されたっていう)って感じました(笑)
    北部の人は一見愛想はないけれど、みんな優しいですね。クリスマス前に郵便局で短期バイトをしたのですが、そこで一緒に働いたのは、ほとんどが根っからの働き者の英国人ばかりでした。怠け者はほとんどいなくて、和気あいあいとして楽しかったです(^^)
    私は北部に引っ越してよかったと思っています。Anonumousさんは期間限定とのことですが、ぜひ楽しい北部生活をお過ごしください。私のブログはくだらない内容ばかりですが、また読みに来てください。メッセージありがとうございます!!

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  3. しましまさん、こんばんは!お返事ありがとうございます。Wakefieldなんですね~!ロンドンからこちらに戻ってくるときに停車したのを覚えています。確かに、ロンドンに比べると北部はのんびりしているかもしれませんね^^ 最近リーズの地元の人たちと知り合う機会も増え、彼らの温かさを私も感じています。 最近はコロコロと天気が変わることが多いですが、お互い素敵な時間を過ごしましょうね。

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